統合失調症でも働き続ける

東大卒の男が29歳の時に職場のパワハラ・業務負荷増・コンプライアンス違反の強要に起因して統合失調症を発症した経緯と、3か月の病気休暇・約1年間の休職の後に働きながら回復する様子を綴ったブログです。

急性期4/5

前回更新からだいぶ開きましたが、前々回ブログからの続きです。

 


急性期に主として占めていた妄想にNHKによるメッセージがあります。「テレビで自分のことが話題になっている」と強く思い込んでいました。このような妄想は代表的なものらしく、下記のウェブサイトでも説明がなされています。https://www.smilenavigator.jp/tougou/about/

 


例えば、私は職場で国内の式典の準備の仕事をやっていたのですが、テレビで海外の別の式典が開催しているのを見て、「私の職務内容が把握されていて特別に海外の報道がなされている」という妄想をしました。また、出向先や出向元のニュースが流れて、「お前の経歴は把握しているぞ」というメッセージを流されていると思い込みました。また、東大卒の芸人が活躍する番組の宣伝を見て、「東大卒でバカなことをやっているぞ」と揶揄されているかのように思い込みました。(芸人の方をバカにしているわけではなく、笑いを取りに行く仕事という意味でそのように思いました。)他にも、私の英語の癖でI would be grateful if という丁寧な表現を使いがちというのがあるのですが、アメリカのトランプ大統領がその表現を使っているのを見て、「トランプ大統領がそんな丁寧な表現を使うはずがない!あれは俺の英語を揶揄したものだ!」と思い込みました。その他、天気予報で上司と同じ苗字(珍しい苗字)のキャスターが出演しているのを見て、「お前の職場は把握しているぞ」というメッセージだと思い込みました。

 

 

 

ここで、私の父が心配して家に泊まっていた時に、NHKのLIFE!というコントを見ようと提案されたのですが、それがNHKがメッセージを送っているぞという警告に感じられました。LIFE!というコント番組は精神がおかしくなった人を題材に笑いを撮っていて、自分がその対象になっているものと感じました。そうして私は「NHK ライフ コント メッセージ」という検索キーワードでGoogle検索をかけてなにかのヒントを得ようとしました。たまたま、NHKBSデジタル放送のメッセージ消去をインターネットを通じて申し込むというページがヒットしました。NHKが私に対してメッセージを送っていると思い込んでいた私はすぐに申し込みましたが、申し込みが完了したら「メッセージ消去は1台1台ごとにお願いします。」という趣旨の案内が出てきて、「ああNHKは私に対する特別なメッセージを止めるつもりはないんだな」と絶望しました。

NHK BSデジタル放送 メッセージ消去https://pid.nhk.or.jp/cas/sp/index.html

 


細かいことをあげれば他にもNHKがメッセージを送っていると思ったことはあるのですが、とにかく「テレビで自分のことが話題になっている」と思い込んでいました。

 

 

 

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急性期2/5 iPhoneの監視

急性期3/5 警察による監視

急性期4/5 NHKによるメッセージ

急性期5/5 会社のパソコンの監視


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2回目の長期休暇

急性期の症状を回顧録的にまとめている最中でしたが、近況があるので報告します。

 


2018年10月に統合失調症を発症し、その後2018年12月〜2019年2月にかけて休暇をいただいていました。2019年3月には復職し、その後2019年4月には出向元に戻り勤務をしていました。その後8ヶ月ほど勤務した2019年12月、統合失調症陰性症状といえるやる気の欠如が顕著になり、有給休暇を取得して2週間お休みをいただきました。

 


2週間のお休みをいただいた時に私の仕事は全て他の人に割り当てられ、2019年12月半ばに復帰した後もそのまま継続して私の仕事はないまま1ヶ月半過ごしました。その後私の主治医より3ヶ月の療養が必要という診断が下り、この度2回目の長期休暇をいただくことになりました。

 


診断の経緯をもう少し詳しく書くと、まず上司が産業医に私について連絡し、その連絡を受け取った産業医が私の主治医にレターを書き、その内容をもとに私の主治医が診断を下しました。

 


どのような連絡やレターのやりとりがなされたのかは分かりませんが、察するに私の勤務態度について上司が産業医に連絡したことが発端となっているのだと思います。薬の副作用と統合失調症陰性症状で日中眠気がとれない時があったり、仕事に集中できないことがありましたので。

 


統合失調症陰性症状と長い付き合いが必要であるならば、上司の連絡を発端に休ませられると言うのは後々困ります。病気休暇は1事由につき1回までと言う決まりがありますので、今回は大丈夫ですが今後休ませられると生活の糧にかかわります。仕事に集中できないのは精神障害のせいということで、身体障害者の方と同様に配慮していただきたいと思ってしまいます。

 


一方で、1回目の長期休暇の時は早く復職したいという気持ちが強くあせりがありましたが、今回はどうせならゆっくりしてやろうという気持ちが強く、リラックスした毎日を送っています。よく寝て、起きている時間は趣味に当てています。余った時間は今後の人生についてぼんやり考えていたりします。(転職など含めて)

 


後は、友達に会ったりしています。今年の頭にブログを親しい友達に対してFacebookに公開したこともあり、ブログを読んだ友達がたくさん気にかけてくれました。だんだんと統合失調症のことをオープンにしているのですが、オープンにするたびに励ましの言葉などを頂き、気が楽になります。

 


思考を巡らせたり友達に会う中で今後の人生についてなにかプラスになる考えがまとまればと思っています。

 


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急性期3/5

前回ブログからの続きです。

 

急性期に主として占めていた妄想に警察の監視があります。きっかけは自分が書いたレポートを読んでからでした。

 

私が出向元に提出した出向先での業務をまとめたレポートの中で、「利害が対立した異なるセクターを両方所掌する役割を持つポストを置くことで、利害対立が解消しやすい」という趣旨の文章を書いていました。ここで私は精神が崩壊していた時に、以前のブログでは触れませんでしたが、上司に電話で「自殺しようかと思いましたよ」と発言していました。また、以前のブログで記した通り相談していたコンプライアンス違反の証拠をプライベートアドレスに転送していたことが、犯罪行為にあたるのではないかと妄想していました。この「自殺」と「犯罪」異なる二つのセクターを両方所掌する警察が役割を担ってくるわけか!とよくわからない論理展開をし、警察が自分を監視しているという妄想に囚われました。本当によく訳のわからない論理展開なので笑って読んでください。このような支離滅裂な論理展開について、この記事では「まとまりのない会話」https://www.mental-navi.net/togoshicchosho/understand/type/positive.htmlと記しています。

 

警察に監視されていると妄想する「根拠」はもう一つあり、統合失調症の前兆期の最中の10月6日に地元の交番の警察官の方が緊急連絡先を聞きに自宅を訪ねてきたということがあります。職場のメールを転送したのは10月5日のことでしたので、職場が私の「違反」行為を告発して警察官が自宅に派遣されたのだと妄想しました。

 

また、普段車の通ることが少ない自宅前の通りをパトカーが通過したりするなどし、警察に監視されているという妄想はどんどん確信的なものになっていきました。

 

警察に監視されていると妄想している間は、自宅を訪れる宅配業者の方を私服警官が変装していると思い込んだり、街を歩いていて辺りにいる人が私服警官だと思い込んだりしていました。

 

警察官に監視されているという妄想は精神が崩壊してから1週間ほどたった10月16日ごろから出始め、急性期が終わる11月頭まで続きました。見張られているという妄想は統合失調症の代表的な被害妄想らしく、この記事https://www.mental-navi.net/togoshicchosho/understand/type/positive.html

 

でもまとめられています。

 

 

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急性期2/5

急性期に患った妄想にiPhoneの盗聴・のっとりがあります。

 

精神が崩壊したため友達との約束をドタキャンすることになったのですが、そこでiPhoneのニュース欄に芸能人のドタキャン騒動の記事(https://www.google.com/amp/s/biz-journal.jp/2018/10/post_25175.html/amp)が表示され、iPhoneがのっとられて誰かによって揶揄されているかのように感じました。

 

iPhoneが盗聴されている・のっとられていると思った原因の一つに自宅が社宅だということも挙げられます。社宅のため、通信ケーブルが途中で職場によって傍受されているものと思い込みました。それゆえにiPhone上でWi-Fiを切って4G回線を使用するようになったのですが、それまでにApple IDが抜き取られておりiPhoneが遠隔操作されていると思い込むようになりました。私はすぐさまApple ID のパスワードを変更し、iPhoneを初期状態に設定し直しました。その行為に意味があるかはさておき、その行動をとってもiPhoneが盗聴されている・のっとられているという妄想は止まりませんでした。

 

例えば、なぜかwebブラウザ上で「法の裁き」というワードが検索されており、iPhoneに法の裁きを受けろと責められているように錯覚しました。

 

また、次回以降のブログに記載しますが誰かに尾行されているという妄想に囚われていたのですが、そんな中なぜか地図アプリ上で「抜いて」という文字が入力されており、「尾行してる奴を抜せ」というメッセージを送られているものと妄想しました。

 

身に覚えのない単語がiPhone上で入力されていた原因は不明ですが、とにかく妄想が止まりませんでした。

 

また、音声入力機能のあるSiriで‘Hey Siri“と呼ぶだけでで起動する機能を使っていたため、常時音声が収集されているかのように錯覚しました。実際に勝手に私の声がiPhone上で入力されているような幻覚も見えました。(見たときは本当に入力していると思い込んでいましたが、今から思えばありえないことなので幻覚としか説明がつきません。)幸い、音声が収集されているという妄想は‘Hey Siri“と呼ぶだけで起動する機能をオフにするだけで消えました。

 

 

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急性期1/5

前回ブログからの続きです。

 

10/9(火)に精神が崩壊した私は、精神ガタガタの状態で10/10(水)〜10/12(金)を過ごし、そのまま週末を迎えました。

 

迎えた週末には心配した両親が家に来てくれました。

 

仕事で大失敗したと絶望していた私は、前回ブログの通り出向元にも連絡したことでいたずらに騒ぎを大きくしていると思いさらに絶望しました。食事もろくに喉を通りませんでした。

 

明らかに病的な反応を示す私を見て、両親には仕事をしばらく休むよう勧められ、10月13日、14日の土日で休んだ後、15日には出社してしばらく休みたい旨を上司に伝えました。

 

この頃から統合失調症の陽性症状である妄想が始まります。

 

まず、家にある本棚の中身が入れ替わって私を責めているような妄想に囚われました。具体的には例えば妻が持っていた「騙されてたまるか」という新書のタイトルを見て、私が病気のせいで妄言を吐いていると責められているような錯覚に陥りました。 また、下の名前が「やすみ」という著者の本を見て、「妄言を吐くような病気なんだからやすめ」と責められている錯覚に陥りました。

 

次に、家族が訴訟のためにケータイを使って私の発言を録音しているという錯覚に陥りました。その録音が訴訟のために役に立つかどうかはさておき、監視されている・盗聴されていると感じるのは統合失調症の妄想によくあるものらしく、それに類するものと思われます。また、10月16日には、内科がメインの病院に親の付き添いの元行ったのですが、その病院で訴訟のために弁護士に落ち合うものとすっかり信じ込んでいました。

 

16日の時点においては妄想は少ししか出ておらず、不眠や食欲減退などが顕著な症状であったためか、その時点では「うつ状態で2ヶ月の休養を有する」と診断され、抗うつ剤睡眠導入剤を処方されました。しかし私は自分が病気であることを受け入れることができずにその診断には納得がいかず、心療内科がメインのメンタルクリニックに予約を取っていくこととなりました。

 

予約が取れたのは10月22日で、その際には「不眠が続いているが睡眠導入剤の効果で眠れつつあり、抗うつ剤の効果も出てきているため、休養が必要との診断がでているが会社に出勤したい」と説明を先生にしました。先生は、「(うつ状態と診断されるに至った原因とも言える)職場の環境が改善されるならば、出勤は妨げない」という診断を下しました。

 

こうして、私は抗うつ剤睡眠導入剤を服薬しながら、10月23日以降会社に復帰することとなりました。しかしながら、妄想は止まらず悪化の一途をたどっていきます。

 

次回以降のブログの中で代表的な妄想について述べていきたいと思います。

 

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前兆期2/2

前回ブログからの続きです。

 

10月9日に精神が崩壊した私は、なんとか翌日・翌々日の10月10日・11日は出勤することができましたが、ガタガタの精神状態での出勤となりました。この日の記憶はほとんどありません。

 

上司Cに呼ばれて私がコンプライアンス違反だと相談した業務についてなにか言われたという記憶がありますが、その内容を理解するほど頭が働いていませんでした。ただ一つ記憶(記録)に残っているのは、私がコンプライアンス違反だと相談した業務をなかったことにするメールが上司Cからコンサルタントに送られていたことです。私の主張が通った形になっていましたが、コンプライアンス違反を指摘することでパワハラ上司Cから逃れられると思っていた私はそれだけでは満足することができず、精神が崩壊したままでした。午前中ずっとぼーっとしていた私は異変を察知され、午前中で家に帰らされました。

 

ここで私は10月9日、精神が崩壊する直前テンションが高かった時、2通のメールをそれぞれ上司A、上司Dに送っていました。上司Aには「私の出向元では、同じようなことをやってコンプライアンス違反と叱られたことがある」、上司Dには「今は法律違反ではないが将来的には法律違反※の可能性がある」というメールです。10月11日、このメールが大変失礼なメールであると急に心配になり、職場で孤立するのではないかと錯覚し、絶望しました。また、連休中にコンプライアンス違反を説明する資料を作るために証拠資料をプライベートアドレスに転送していたため、その行為が守秘義務違反として咎められるのではないのかと思い絶望しました。

 

※参考:https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/ncr/18/00005/070200005/

 

絶望していた私を見かねた妻は、親に相談した方が良いと私に促しました。私は自分の親と妻の両親に電話をして、「仕事で大失敗した、申し訳ない」と謝りました。その日の夜は十分に寝ることができませんでした。

 

10月10日の朝、睡眠が足りていない状態で目覚めた朝、私は過呼吸を起こしました。前日の親への電話で「出向先で孤立しているのであれば出向元に相談した方が良い」とアドバイスをもらっていた私は出向元に電話をし、職場で大失敗をしたこと、過呼吸を起こしたことを電話で伝えました。

 

そしてその日の午後、職場に出勤して上司Aと面談をしました。その日何を相談したのかは記憶が曖昧ですが、上司Cのパワハラから逃げたかった私は今の業務が辛いということを説明したと記憶しています。

 

こうして私の統合失調症の前兆期は過ぎて行きました。

 

次回は、統合失調症の陽性症状である妄想が発現する急性期について記したいと思います。


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前兆期1/2

初回ブログでも触れた通り、統合失調症は前兆期・急性期・回復期・安定期の4段階のフェーズを経るとされています。

前兆期の症状としては、焦りと不安感・感覚過敏・集中困難・気力の減退などがあります。急性期は、幻覚や妄想などの、統合失調症に特徴的な症状が出現する時期です。

参考:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html

 

自分の前兆期は2018年6月ごろから始まっていたと思います。若手職員の1人が産休に入り、若手で回していた業務に対し不安感が募っていた時期でした。ちょうどその頃、直属の上司(上司Cとします)の業務量が増えていき、彼のストレスがピークに達してきていました。その私はそのはけ口とされたのか、私に対する彼の言動は理不尽かつ威圧的なものとなっていきました。(前回ブログも参照してください)このころから、頭がボーっとして働いていないような感覚が始まりました。加えて、上司Cの威圧的な態度が自宅でもフラッシュバックし、そのたびに「クソ!」「馬鹿野郎!」「ぶっ殺してやる!」などと物騒なことを叫ぶようになっていました。7月に生まれることとなる子供がお腹の中で聞いているからやめてくれと妻に度々言われていたのを覚えています。

 

そんな中、私から言わせればコンプライアンス違反の業務監理が上司Cによってなされていき、ついにその業務を上司Cから私が引き継ぐよう別の上司Bに命ぜられました。10月1日のことでした。

 

10月2日。コンプライアンス違反の「被害者」となっていたコンサルタントと打ち合わせをしました。契約は6月に切れていたのでそのころに打ち合わせをセットしているのもコンプライアンス違反です。その場で上司Bは追加の作業の指示をしました。コンサルタントの目は空を見つめており、メモすら取っていない無気力な様子でした。

 

10月3日。耐えかねた私はコンサルタントにより詳細な指示メールをおくりつつも、「業務の範囲外と思うならその旨伝えてください」とメールしました。コンサルタントに指示する権限を持つ上司Bが指示しているので、業務の範囲外という認識をコンサルタントは示さないという自信はありましたが、それをccで見た上司Cは「なんでそんなことするんだ」と威圧的な態度で迫ってきました。私は「甲乙の関係を利用して業務の範囲と言えないことを指示するのはパワハラである、だからあのようなメールを送った」と若干震えながら答えました。上司Cはすこぶる不満そうに「上司Bと相談だな」とつぶやきました。

 

10月4日。経験がずっと豊富な上司Bと上司Cにコンプライアンス違反の認識がない現状、私が送ったメールは不適切とみなされると考えた私は、労務管理者でもある上司Aに相談をすることにしました。その日は、上司Cのやってきたことがいかにコンプライアンスに違反しているかを説明する資料作成に費やしました。そして、①上司Cのやっていることはコンサルタントに対するパワハラである、②私はパワハラをやりたくないの2点を上司Aに説明しました。結果は良好でした。上司Aは契約期間終了後にまだ作業指示を出していることを問題視してくれ、この日休んでいた上司Bに一言言ってくれるように約束してくれました。

 

10月5日。私はその場にいなかったのですが、上司Aが上司Bに一言苦言を呈してくれました。すると10月3日のメールを見た上司Bは「作業指示は業務の範囲内と納得してくれたんだよね?」と焦ったそぶりで私に聞いてきました。私は「あなたは業務の範囲内といっているが、(契約内容を示す)特記仕様書には業務の範囲と読み取れる記述はない」という趣旨のことを上司Aや上司Cに聞こえるように大きな声で言いました。上司Cは困った様子で「はいはい、その話は終わり!終わり!」とつぶやいていました。

 

10月6日〜8日の3連休を挟んで10月9日。この日私のテンションは最高に高まっていました。上司Aは別件で忙しいと言っていたので、「上司Bの意識を変えるのは自分の仕事だ!」と息巻いていました。まず、朝早く出勤して、上司Cのやってきたことがいかにコンプライアンス違反かを示す書類のコピーをとりました。そして業務時間開始直後に上司Bと別の上司Dに対して「上司Cには秘密でメールを読んでください」というタイトルでいかに上司Cがコンプライアンスに違反しているかを説明したメールを送りつけ、「私を会議室に呼び出してください」と依頼しました。会議室に呼ばれた私はテンションMAXで上司Cがコンプライアンスに違反していること、訴えられでもしたら大変だということを上司Bと上司Dに説明しました。上司Bは落ち着いた様子で「これくらいで訴えられることはない」と説明しつつ、「今の若い人にはわかってもらえないかもしれないがこれくらい私の時代では普通」「我々はコンサルタントを指導する立場にある(から許される)」「契約期間終了後に成果が上がってきたとしても差し替えれば問題ない」と反論しました。反論されつつも、私は上司Bに上司Cのコンプライアンス違反を説明できたことに非常に満足しました。同席してくれた上司Dは私のいうことが理にかなってると言ってくれれたこともおり、その日の業務時間中は非常に満ち足りた時間を過ごしました。

 

そしてその日の業務時間後、感情の高まりが最高潮に達した私は、当初から理解を示してくれた上司Aを会議室に呼び出し、会議室で座った瞬間、張り詰めていた何かが爆発して、泣き出してしまいました。全く理由は分かりませんが、ただただ号泣しました。明らかに病的な症状が出た瞬間でした。上司Bにコンプライアンス違反だと説得しきれなかったことがこのタイミングで心につきささりました。実はコンプライアンス違反じゃないことを自分はコンプライアンス違反だと騒いだのではないかと急に自信がなくなっていきました。上司Aになだめられ、落ち着いた私は顔を洗ってから帰宅しました。

 

帰宅した時にはもう妻も子供も寝静まっていました。私は1人で冷めた夕飯を食べ、放心状態ですっかり冷え切った湯船に長いことつかりました。

 

上司Aに対して①上司Cのやっていることはコンサルタントに対するパワハラである、②私はパワハラをやりたくないと説明したことは、コンプライアンス違反を密告すると同時に上司Cの私に対するパワハラから逃れられる完璧なロジックだと思っていました。しかし、上司Bに上司Cがやっていることは許容されると反論されてしまい、私はこのロジックでは上司Cのパワハラから逃れられないという絶望感につつまれていました。パワハラという言葉が頭の中でぐるぐると反芻され、「ああこうやって人は鬱になるんだ」と思ったのを記憶しています。

 

長くなりましたが、今回書き綴ったこの10月9日が、明確に精神が崩壊した日となりました。

 

次回 は、前兆期2/2と題して、陽性症状が出る急性期にさしかかるところまでを綴りたいと思います。


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